2017-06-20 靴 だぶたぶの靴を履いて、 彼の親父さんが、泣いていた。 死んだ翌日、 彼のいろんな話をしてくれたときのことだった。 彼が新品のその靴を買って、 履いていたのは、遡ること十日少し前のことだった。 親父さんには大きい靴で、亡き子のものを履いてたのは、 混乱の中だからだったと思う。 足取りがおぼつかなかった。 親父の履いていた靴をなんの気なしに履いた。 小さい・・・かかとを踏みつけないと無理だ。 だがなぁ・・・このふたつの靴は、 決して間違った方向へ、 そう・・・歩いていこうとはしないよ。