2006-10-07から1日間の記事一覧

箱舟が出る港 第二章 一節 波浪 四

何者かが彼女を狙っていた。 大きな黒いカウボーイハットと、黒いスーツで身を固めた男が、高月美兎を ヒタヒタと追っていた。 夕暮れのせいも相まって顔がよく見えない。 うつむき加減で意識して隠すように、帽子を深く被っているようだった。 一方坊主頭の…