2006-11-24から1日間の記事一覧

箱舟が出る港 第三章 一節 カタストロフィの日傘 九

男は間を置かず 返す刃で上段から、 斜め四十度程の角度で、 化け物の右手を 切りつけた。 赤い火花が散り、 金属の鈍い音がして、 纏った手の凶器が切断され 吹っ飛び、枝を切り裂き、 さほど大きくない木に突き刺さった。 切り落とせたはずだ。 計ったよう…