2007-05-02から1日間の記事一覧

箱舟が出る港 第七章 一節 駆逐艦大風 知流源吾 四

「この石は どこにありましたか?」 学生は切れ長の優しげな目を、 宮司に流した。 恐ろしく澄んだ 瞳であった。 宮司は息を切らしながらも、 慄きつつも、その瞳に懐柔されつつあった。 体が軽い。トンボになった気分になる。 草が若者の眼であった。 「・・・…