2007-07-15から1日間の記事一覧

箱舟が出る港 第七章 二節 激動の波頭 八

冬の海の横たわった岩に、幾千幾万とも知れない蝶が止まっていた。 蝉は舞う雪に祈りを込め、幾千幾万とも知れぬ咆哮を放っていた。 その体を揺り起こそうとしてる。こじ開けようとしているのだ。 ―――無点にて審判を待て! この宇宙に来たからには、己が罪を…