夏の邂逅

十七歳の俺が言う

シンナーでも吸って死にたいと

二十五歳の俺が言う

お前には似合わなかったからと

海に飛び込んで死ぬのが似合うようであれば

とても生まれた甲斐が無いから

大雨の中で死ねるように

死んでも似合うように

生きていて

死ぬまでに逢わなければどうしようかと

好きなようにするがいいとこの歳になった俺が言う

ひとりでに生まれたくせに

勝手気ままにやっていけなかった

頑固親父に隠れて 酒を飲んでいた斉藤浩司

死んじまったあとは別々だというのに

最後まで親友でいたかったというのか?

その夜の線路

上野毛の深夜

飼っていた小鳩が冷たくなっちまったように

死んでしまった親友・・・