無言電話
五時半ごろ、仕事が終わり、
一服している時間を見計らったように
無言の電話あり
あー、はいはい、と言っても、何も言わない
間違いだろうと直ぐに切ってしまう
それから一週間に三度ほどかかってくる
番号は当然把握しているが、
折り返しの電話はしない
番号に心当たりがないからだ
じゃあ着信拒否しろ
と言われそうだが嫌ではない
嫌がらせの類の電話でない事、それを知っている
何処の誰様か皆目見当がつかないけれども
向うは俺のことを知っている
通話料いくらかの金をかけて
何らかの意思を表そうとしているであろう
ところが何かの事情があるんだろ
携帯を握りしめたままで
黙っていることしか出来ない相手
語るまで待ってる