大山倍達伝 四

大山は朝鮮人である。
あるが差別などするつもりは毛頭ない、どころか自分にとっては尊敬に値する人物だ。
警察力も事実上ない戦後、GHQはすき放題に我が国を蹂躙した。
婦女暴行など日常茶飯事であり当たり前、
史実を深く探ればアメリカ人による合法的な殺人もあったことだろう。
戦勝国側の一方的な裁判即ち東京裁判極東軍事裁判)は、
国家だけではなく個人レベルへも暴力の剣を刺す。
痛めつけられた日本人は間違いなく相当数いたに違いない。
図に乗った三国人戦勝国である、と勝手な言い分の下、我が物顔で暴れ回る。
対峙すべき官憲は拳銃どころか警棒もない警官である。
取り締まると反対に叩かれたらしい。
弱体化した日本と日本人に襲いかかる他国籍のならず者に鉄槌を振るったのは、
警察ではなく実は大山たちアウトローであったのだ。
尚、暴力団山口組もこれら不埒な輩を相手に徹底的に暴れている。


ふたりのアメリカ人による婦女暴行の現場を目にした大山は激怒、いとも簡単に
叩きのめす、これが始まりであった。
日本人ではないが日本の軍国主義に共鳴し死ぬことを覚悟した精神。
敗戦はやり切れず心中様様なる葛藤があったに違いない。
国は負けても個人なら負けぬ。
大山は東京中に辻斬りの如く出没し、占領軍の不良どもを片っ端から叩いていった。
酷く強い暴漢がいる。
当然目をつけられ追われることになった大山は身延山に身を隠す。
ここでさらに空手の修行を積んだのだ。



三国人でありながら、日本人以上に、憂国心を持ったのはなぜか?
ひとつは大山は裕福な家庭に育ったからであろう。
教育もいいものを与えられたはずであり、
朝鮮という国家と日本の真の関係を冷静に傍観出来たのではないだろうか。
即ち清朝の抑圧から解かれた朝鮮は日本に併合される。
良き悪しの判断はなんともいえない。
いずれ歴史が回答を示すであろう。

ただ清朝配下でのソウルは、
アジアで一番汚い街と西欧人に酷評されている。
日本の統治によりまたたく間に清潔で近代的な街に整備された
例など他に、高い貢献をしたことも知っておかねばならない。


〜続く〜