祝・水城高校

murasameqtaro2011-02-05

部員にとってヤキモキした二ヶ月だったことだろう。



秋季関東大会でベスト4。
この成績であれば選抜出場は間違いなく、安堵して新年を迎えられたはずだが、試合内容が悪かった。
準決勝の相手は昨夏の甲子園、一回戦で負けた東海大相模
部員はリベンジを誓っていた。
中盤まで互角の戦いをしながら、投手佐藤くんは疲れたのかクセが出たのか甘い球が多くなり、守備のリズムも狂いエラーが続出、大量点を許す。・・・惜しかった。
六回まで互角の勝負が、終盤、八回でコールド負け。
茨城新聞によると、
―――1年の春から投げているが、いい試合をしては途中で崩れた(監督談)とのこと。
不安定さを、早々と、指揮官に看破されていたのである。




水城は新興の野球強豪高です。
橋本監督は守備に重点を置く指揮官。
路を決める監督には思慮深い価値観があるようだ。



名門水戸商の低迷。
理由がない理由をつけて、人が人との間に作り上げた伝統というものは、そう簡単に壊す事は出来ない壁であったに違いない。
名門にありがちなスパルタ。上級生から下級生への恒常的な暴力的行為。
―――環境を変えたかったのです
OBではない橋本さんが名門に招聘された時、吐いた言葉である。


水商は橋本さん就任前まで、全てOBが監督を務めていた。
伝統がある学校ほどOB会はうるさい。何かと横槍が入る。
負けるたびに批判があった事は想像し易い。
どう非難されようと、戦場に戻ることが指揮官の選ぶ路であると。



哲学を専攻されただけに、思慮深い男の生き様が見事に表情にある。
路に迷った時、選ぶべきは、より激しい路なのだと。
逃げ場のないところまで自分を追い詰めることが、復活への路になること、それは確かにあったりも、する。
そんな思いが監督の心にあったに違いない。
切れ長の優しく細い瞳は、戦う者の光りを宿している。


復活した古豪水戸商業はその後選抜で準優勝する。



十年近くのブランクを経て水戸商から水城の監督に就任した橋本監督。
内なる神様を呼び起こす儀式が、成功したと言っていいだろう。




昨年の晩秋。
佐藤くんはテンポの良い緩急とコントロールの精度に磨きをかけ、実に安定した投球内容を誇ったようだ。
球速はあまりないらしいが、昨年の左のエース大川くんより安定している、と、個人的には見る。
環境を整えたのだろう。
新聞写真ではよく見えないが、高い確率で、この握りはチェンジアップのはずである。
昨年まではスライダーとカーブ主体と聞いていた。
普段の投球を心がければ、そう大崩れしないタイプの巧投手である。
あとはイップスにならないように、メンタル面の強化だろうか。
一方、気になるのは夏より調子が落ちた、打線。
新聞情報によると、小柄な三、四番は、中軸という責任上の焦りか、大振りが目立ったようだ。
一番は体格がいい選手なのだが、ミートに徹することなく、これも同じ。



当たり前だが、チームは甲子園での一勝を悲願していると聞く。
部員が夢を語ることで、コールド負けと言う悔しさ、そして逆境から脱出するバネになり得る。


春は投手が有利。そのセンスある打撃術をいかにピークまで持っていけるか。
甲子園での念願の一勝は、このあたりに懸かっていると推察する。



水城に春が再び戻ってきた。

時はなにもただ過ぎて行くだけではないものだ。

プロ野球と違って後のない戦い。
短期決戦には感性の火花が散るもの。


その色と匂いをテレビからだけど、楽しみたいと思う。

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馬鹿な物を作ってみたよ

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満開の桜、この曲素晴らしい。多分この映画のためだけに作られたと思う。

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