その人
三角にしか見えなかった三階の窓に夕日が当たっていた。
手を振る声が聞こえる。
けれども顔まではよく見えなかったんだよな。
源氏蛍を観に行っていた時、その人は電話をくれたよな。
そうだよ、卒業した年、19歳になる前のあの夏でした。
瞬きして考えたものだよ。
蛍光の中で折り紙の宇宙船を組み立てたけど、どうも誤謬になっちまう。
合成はできるけどな、飛ぶことは無かったね。
正体不明のベルのカウントダウンだなw
69、02、この数字は何か知っているかね?
今年のお年玉葉書、四等(切手)の当選番号です。
黎明の確率かね?
そりゃ簡単な計算で解るがな。
四等は 下ふたけた00〜99まで 100あるうち ふたつが当りなんだよね。
五十枚に一枚。
振り返ればクラスは40名程だったよな。
五十枚に満たない年賀状、その中の一枚が当たった事を報告しよう。
―――その人が歩んで来た道はそっちだったんですね?
満員のブルートレインだったけれど、
俺はただ汽笛を聞いていただけで、夜景を見ようとしなかったしな。
人見知りした若かった瞳を勘弁してくれ。
もっと違う人じゃなかったのかと、失礼した次第です。
けどいいだろう。
改めて見直したからな。
いい道を歩んで来た事が自筆に現れている、感心したよ。
―――うん・・・ み な お し た
泥濘の道に入っていたのは、そう、俺の方だった。
長年、年賀状の交換などした事もなかったし(初めてかな)
その時代、まともに口を聞いた事もなかったよな?
角が取れた窓はもう三角ではないよ。
充分解ったがなw
まあ、手元においておこう。
切手に変わってしまい、正体を見失いそうだしなw
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やっぱ、尾崎はいいなぁ・・・何度も聞いたっけ
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これ知っている方おりますか?
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