経理屋の話

会計伝票だらけだw



年が明けた土曜日。
通院の道すがらその人の会社にお邪魔した。
「室内には誰もいないよ」
との事だったので誘われるままに訪問する。
目的の話は、釣り、であるw
かれこれ15年の付き合いになる。
お互いに腐れ縁だとw



「次長になったんでしょ?部下にやらせりゃいいものを」
「いや、課長も係長も6日まで休み。
下っ端は10日まで有給とっているのもいらあ。
ウチのヒラはサービス残業はやらんよ。
なんせ割り増し賃金を・・・」
「そうですか・・・で、あんたが休みに出てきて、
これから入力するってこと?変わらず優しいなぁw」
その知人の釣り仲間は、
新潟の某商業高校から二部上場企業に入り長年茨城工場勤務、
私と同様総務も兼ねていて、
学生の就職合同説明会の後、担当者懇親会で知り合った。



いいですか?
と断りペラペラめくらせてもらったら変な仕分けが出てきた。

勿論彼には言ってない。



借方 雑収入○○○6円 貸方 現金○○○6円
売上高と言う正規の営業活動以外で入った収入を
現金で返しているという意味。
しかしこの仕分は間違いなのです。
了解頂きそれに当てはまる伝票を見ました。
借方  現金○○○7円  貸方  雑収入○○○7円
差額は一円。この1を7と間違え記録し、
修正した仕分けが最初のもの。
1が正しかったのでしょう。
確かに辻褄は合う。
最初1を7と間違え差額の6を引いて正しい一円とした。
しかし違う。
ただの数字上の間違い修正。
なぜなら摘要にも記されていたが、伝票N0XXX番の修正とある。
現金を貰った相手に、返してはいない、
処理上の修正仕分けなのです。
正しくは・・・
最初の伝票をまず消す。
借方 現金−○○○7円 貸方 雑収入−○○○7円
マイナスを入れ取り消して、次に正しいもの
借方 現金○○○1円 貸方 雑収入○○○1円
としなきゃいけません。
これが正しい修正仕分です。
おそらくまだ実務に慣れていない方が起票したのでしょう・・・
しかし、伝票の押印は起票から最終の課長承認まで三つ揃い、
入力印を待つだけ。
私は彼の顔を見た。




「うん?なんかあんのかィ?」
「いやなにも・・・」
めくるのをやめました。
「ついでにといっちゃなんだが、
メシおごるからお宅、二時間ほど入力手伝ってくんない?」
と来たw
ほらやはり、ねと。
釣りの話よりも、本当は助っ人が欲しかったのでしょう。



「いや部外者がやるわけにいかんでしょ。
あんたは中小の俺と違い、いずれ本社に戻り役員になるんでしょ、
駄目ですよ。」
「俺がいいと言ってるんだ。他に誰もいないんだよ。
早く終われば飲み屋もおごるよ」
結構必死だw
「いやいやこれでも少し多忙でね。これはあんたがやるべきですな。
それと会計伝票など廃止したら?」
「・・・そうか、なりゃしょうがねえなぁ・・・
誰かいねえかなぁ・・・気分はまだ正月だしなぁ。
伝票起票はお宅の言うとおりだが、なにしろねぇw」
「悪いですね。まあ今年もろくなえんじゃないけどよろしく」
「え?なんだィ、そりゃ。こっちこそ」



間違いは訂正できる。
自分が悪いと思ったら謝罪も出来る。
はてしかし、とここで過去を振り返る。
俺は今まで結構なミスをしてきた。仕事でも対人関係でも。
その都度訂正もしてきた、謝罪もしてきた。
だが果たして正しい修正だったのか?と・・・
相手の立場を考えての訂正だったのかと・・・
それをもはや確かめる術はないけれども、今度間違いがあったのなら、
真摯
に謝罪や訂正をしようと思う。



彼は気づいただろう。
そうだ腐れ縁だよ、6な円じゃないな○島さんよw