箱舟が出る港 第四章 戦い 十二

【1942.10.1 本日は快晴なり。昨夜までの雨が嘘のようである。
航海の先に安堵を見出す。私を含め41名の同士の顔にも、笑顔が集う。
各々が手に取ったテープの先には、家族がそして友が居よう。
私も家族に手を振った。
戦いでなくて、良かったと思うが、複雑では、ある。浩然たるサンジエゴ港に
軍艦が多数停泊。我が親友ジム・スタンフォードは空母に乗り込む。ジミー.
ローゼンフェルドは巡洋艦なり。ハワイが奇襲され、何も知らずに死んだ軍人、
民間人、及びその家族を思うと晴れぬ心ここにあり。日本憎し ! 益々憎し!....
我が使命は、無事に航海を終える事。一人の怪我人も出さぬ事、無事に帰る事。
...海軍にはすまぬが...航海甚だ順調なり】





【1942.10.2 凪が殆ど無い穏やかな一日だった。 砕氷船に手を出すと思われ
ぬが、敵がここまでやって来ていると思わぬが、敵潜水艦に注意せよと指示を
出す。護衛駆逐艦本夕帰還す。任務の真意は南極大陸到達二日前の命令に悩
む。部下にどう語ればよいかと悩む 朝食、昼食、夕食とバランスの取れた食事
にて、体、甚だ順調なり。司厨長と戦局の行方を話す。全体主義の不条理にて一
致す。ファシズム、遺憾なり。 】