UFO(未確認飛行物体)について 五

「世界はお終いが近づいてます。助かる方法は私の教えに従う事です」
教祖様は勿体ぶった口調で説く。
勧誘の常套句。
不安をあおりたて精神的弱者を引っ張る手法は今昔変わっていない。
いないどころか新興宗教ほど酷いものがある。
お布施(金銭)が燦燦と光りを湛える。
汗や泥や血やそして涙がこびりついた紙幣であっても燦燦と光りを湛える。
布施の額により高級信者になれるという。
金銭は輝いてはいけない。
命の投影として多模様な陰影あってしかり。
清い川の流れの中で静かに横たわり、持ち主の生産的危機の場合、立ち上がる身柄と捉えたい。
なにも宗教を否定はしないし、魂と結合するかは知らないけれども、祈りの手段として輝かせてはいけない。
救済ならば報酬など度外視し、人の為に奔走すべきだろう。
本来神様とはそういう存在のはずでなかったか。



海洋国家として隆盛したポルトガルの没落の要因は、略奪主義にあったと思われる。
アフリカ・アジア地域に船団を向かわせ問答無用で物資を奪う。
つまり海外へばかり目を向けたがゆえに、国内産業が育たなくなってと解釈している。
植民地も多い。維持するためにはこれまた膨大な費用がかかった事だろう。
国土拡大は信頼すべき基幹産業を中心に母国の経済強化が不可欠だったと思われる。
お終いかもしれない・・・第一次大戦時小国ポルトガルの人民。
事実お終いが近づいていたイベリア半島
不安に駆り立てられた事が想像に難くない。
カトリック教徒が九割の国家。神の存在を頑なに信じる国民性である。
「聖母を降臨させようじゃないか」
「そんな馬鹿なことなど・・・主に逆らう事になるぞ?」
「この危機を考えろ。いい手かも知れない。教徒の結束効果もあり一石二鳥だ」
「母国にお終いが近づいてます。助かる方法は教徒の結束作戦・・・神への冒涜かも知れませんが
宗教的プロパガンダなのです」
空想上の会話を作るがあながち理に合っている感じもする。。
なぜなら聖母がファティマに現れたという当時の新聞を見ると、どうにも不自然な点が実に多いのだ。
まず観衆ばかりに向けたカメラである。
人の結束ばかりを捉えようと撮影したのかなと。
聖母の写真など一枚もありはしない。
公開されていないのか?それは知らない。
だが十万人近く集まりながら撮影された【奇蹟の風景】は千歩譲っても、
どこを探しても見渡す限りたった一枚しかないのである。


何とでも解釈できる古びた写真が一枚。
ちなみに日本で初めて映画が上映されたのは、1899年と言われる。
奇蹟が起きた20年近くも前の事である。

〜続く〜