旅の軌跡 一 北海道登別 2/10

murasameqtaro2011-03-06

ちょっとここに数字を書いておきましょう。


0、 -7 、4、 -1、 5 、1、 -3、 -5、 2、 -4、 9 です。



翌日、その年の4月30日。北海道はほんの少しだけ粉雪が舞ってましたね。
4月の終わり雪など皆無の関東、これには驚いたものです。
新車に近いトヨタカムリだったっけ?まるで昨日まで俺が乗っていたようになじんでいて。
窓越しに見えたのは海岸沿い、虎杖浜というところですな。
右側に太平洋、望遠鏡があったら筑波山が見えるか?まぁ見えるわけないけど、ちょっとおもったりしました。



―――昨夜お父さんが行っていた銭湯とはアレよ
バブルの真っ最中、髪はワンレングス・・・
指差す方面に温泉、の看板がありました。


<飛沫があった、灰色の鋭い問いかけだったんだよ>



―――今更故郷でもあるまい・・・おまえはいったい遠路何しに来たんだ・・・何でもしてもらって、おまえは何もしてやれなかったじゃあないか?守ってやれ、こっちはいい、この子は本当にいい子だから ・・・こっちの家の跡取りだからなんて気にしなくていいよ。おまえ自身の人生だから・・・





浪は空気を切り裂き俺の心に押し寄せ、故郷を切断しようとしたんだなあ。潮騒の中にバアちゃんの声がした・・・
決 断 し た ら 後 は 考 え な い こ と だ<浪の破裂後の残骸をさ、自らの手でしっかりと採取していたよ>



―――なるほど、こりゃいいね
ちょっとした民宿のようで、風情あり。
―――どうする?
切れ長の瞳が横顔に刺します。
―――ああ・・・今日はいいじゃない・・・
照れ笑い。
それはですねw・・・前の晩に「家族風呂でもふたりで入ろうか?」なんて相談してたからなんですなw



寒くて寒くて入って日本酒でも飲みたかったけどもやめて、予定とおり東へ一直線、白老をめざし走りましたね。
―――おい、なんだか臭えな、何だいこの匂い?・・・
そう聞くと、
―――大昭和製紙のパルプ工場があるのよ
―――なるほど、紙の精製途上の匂いか・・・
と変な感心をしていたら最初の目的地、ポロトコタンの村へ着きました。
まあ先住民アイヌ民族の村であります。
このアイヌという先住者にかねがね興味を持っていて、相談してまずはここへ連れて来てもらったのです。


〜続く〜


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中島さんの母校・・・北海道。あの日見せて頂きました・・・

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このギグを聞いてくれ

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