連帯
地震の翌々日。
丸ニ日の断水を機に
筑波山系から流れる自然水を汲みに行った。
昨夏源氏蛍を観に姪と友達の女の子を連れていった場所だ。
あの時は連日の雨のせいか水が濁り、
飲めたものではないな、
と思ってたが実に綺麗なものであった。
上には家など一軒もない、見れば山並みだけである。
結構な人が居た。
並んで待っていた。
見知らぬ人が多かった。
誰しもがつい先日まで蛇口をひねれば
水が出ることは当たり前であり、
何も考えなかったに違いない。
ポリタンクが多かった。
高齢の方も多かった。
足場は岩であり、滑り易く、高齢者の背を支える人もいた。
「ありがとうね」
「いやいや、大丈夫ですか?」
見ず知らずの人の不思議な連帯をそこに見出す。
突然振り下ろされた斧めが!
しかし大地震が残したもの・・・
それは傷だけではなかったのである。