原 風 景〜〜


なだらかなスロープを駆け降りる



バス停には小糠雨が降っていた



天気に関しては


俺はどうでもいい


そう思ってた


人間天気図は、あてにならないからだ










―――貴女の行く道はそっちですか?


作り上げた花火は水色の雫たちに消され



打ち上げられないままで



何をしても上手くいかない日常の曲線



こむらさきの法被を着た
ペシミズムの”こびと”がロンドを踊り、笑う



若き日
人は誰もが喉に森があって、
奥に居るやさしい鳥がいつも飢えているものだな



夏休みの空とパークアベニュー
真意を知らない心を
カブトムシが吸い込み
無口のバスの中に消える



林に紛れこんでしまった時
貴女の手から
鳥は空へと消えて行ったな



モノトーンの原画に色を塗るけれど
長い髪の色が出ない


仕舞った色鉛筆は
手の中で潰されてた


天気に関してはどうでもいい



けど俺は水をまかなきゃいけない




血糊が黒く変色するまで待とうか



―――貴女の行く道はそっちですか?
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