塩原温泉の驚愕

箒川の流れは穏やかで、絶好のドライブ日和だった。
不動の湯。
事前に調べていた露天風呂がある。
無料である事がなりより嬉しく、
多分まだ少しは啼いているだろうセミの音を聞きながら、
多少の疲れを癒せるだろうな、と歩いて行った。
無料、綺麗な川、空気が美味い、
しかし少し厄介なのが混浴である、この点だった。
まあ混浴でも婆さんしかおるまい。
近くへ行くと男が三人ほど入っていた。



一人はペットボトルを手に浴槽の周りにあぐらをかき、
やってくる俺たちを見ていた。
残り二人は小さな浴槽に浸かり、背を向けていた。
初めての場だ。
ははあん、ここはもしかしたら若い女も来るのか?
そんな馬鹿な。まっ昼間から人前で裸になる若い女などいるまい。
男の視線は性別を物色していることをひと目で見抜いた。
こんなのと一緒におれんよ、な?仲間と見られるがな。
周囲を散歩することにした。
足湯が心地いい。
残り短い咆哮放つセミの音が季節に線引きをしている。



一時間程度の森林浴を終え、
さてあの変な男はさすがに居ないだろう。
若い女など何がこんな無防備な風呂などに来るものか。
30分程度湯に浸かり帰ろう散策から引き返した。


ちっ、まだ居やがったw



男の目的が確たるものになる。いや標的だろうな。
真っ赤な顔したペットボトルの男が、
頭にタオルを鉢巻にしてまだ居座っていた。
惨めだねぇおい、聞こえるように笑ってやった。
もはやここは諦めた。小汚い汗が体についちゃ困る。
道から入浴姿が見える。
だから若い女はくるまい、と思っていたが、
そうでもない事が男の居座りから解った。



そして実際奥に一人だけいたようだ。しかも彼氏と思える男と。
馬鹿なカップルだ。
先を歩いていくと後から連れが「女性、出るに出られなくなったようだね。
脱衣所で男に体隠してもらいながら上がった模様、
アレは連中に少し観られたなw」と。
そりゃ、まあ、そうだ、入る方が悪いわな。



大型連休。日帰りの距離にちょうどいい。
再度その地に行ってみようかと考えた。
箒川でも釣りもいい。
鬼怒川がアレだったし、箒川の水量などを調べようとしたら、
とんでもない事になっていた。
川ではない、露天風呂がだ。
なんでもAV撮影だの盗撮だの呆れた文字が踊り、閉鎖された模様だ。
情けない連中に壊されてしまった。
いい場所はこうして無くなっていく・・・

http://www.mag2.com/p/news/17221



迷惑な野郎どものおかげで、二度と行く気になれない。
社員旅行の幹事には「絶対塩原はやめろ」と釘をさした。
ヤツラの汚いモノが箒川に流れたと思うと・・・
小汚いイメージが定着したな。
塩原温泉郷全体が損失をこおむった、少数の馬鹿どものおかげで。




空気たるや実に美味く、
箒川を中心にした風情、
那須塩原ラインも素晴らしい景観だったのになぁ・・・