つげ義春作品の哀愁の人々 二 商人宿 モリタ屋のおかみさん

リアリズムの宿

旅ブームの中、
漫画の
ネタ探しに来た
つげ義春さん。
リアリズムが充分過ぎる
モリタ屋へ入る。
それにしてもどうだ、
このおかみさんの顔は?
必死さが
画から飛び出て来るようで、
読んでいる俺も捕まってしまいそうだ。
やべえ、逃げろ〜!雲を霞とずらかれえ〜!!
と思っても時すでに遅し。

「サンビスしますから」
お客の来ないモリタ屋は必死であり、
おかみさんに靴を隠されてしまう。
入ったら最後諦めるほかない。
例え向うが見えそうなうすっぺらなイカの刺身と、皿にぺったりと付いた卵焼きのおかず、
ご飯に至ってはシャモジを落としても洗わない夕食。
これがモリタ屋式の、サンビス、である。
それでもリアリズムの宿からは逃げることは出来ない。




諦めたつげさんは
ある朗読を聞き入り眠りに入る。
俺だったらどうだろうか・・・?
その朗読の題材とは・・・





リアリズムの宿より