つげ義春作品の哀愁の人々 四   助川助三

助川助三

河原で拾った石を売る
という変な商売を始めた主人公(つげ義春)。

そりゃあ誰も買わないでしょうな(笑)

だって周りに同じような石ころがごろごろ転がっているし、
例え助川さんね、二年かけて自採し形のよい水石を見つけたようですけど、場所は多摩川でしょ、
比較的簡単に自分で採れる可能性が高いわけで・・・
こういう物は河原などで売ってはいけません(笑)
古書店の山井氏が言うように、何もしていないのと同じ。

売れないものを売れない場所で売っても売れませんや。


助川さん(つげ義春)立派な髭を生やし、顔立ちもいいのだから掘建て小屋のような店舗でコタツ?にあたりながら甘酒や饅頭など石を中心に多角経営などしている場合ではありません。
くたびれた爺さまだってそんな場所には座りません。


居眠りしているコマもありますよ
漫画の注文が入っているというのに、なぜ断ってしまったのでしょう?


三助君も大きくなったし、
奥さんのスカートも破れているの知っているのかな?


地道に漫画さえ書いていれば、石が全く売れず金に困り閉店、その後人をおぶって川渡る、などというまともとはいえない商売を始めなくともよかったのに。


ひとり百円。
ひい、ふう、みい、と川渡し賃金を数えても全部で1200円。疲れた割に、商売になりませんな・・・


この後中古カメラ屋を始める助川さん。
これは当たったが在庫が切れて、あっけなく店じまい。


それからは・・・・




筑摩書房刊行・石を売るより〜