小さな侵略

道路からは全く見えない。
敷地に入ってもまずうろうろとキョロキョロと物色しなければ、
そこにある事を確認できない。
敷地内の一番奥の別棟横、
目立たない場所に二台の自転車と
壊れたファンヒーターストーブを放り投げてある。



思い入れありね思いであり。
けれども使えない自転車なので
まとめていつか産廃物業者に引き取ってもらおうと常々考えていた。
軽トラックで
「ええ、ご不要になったパソコン、自転車などが・・・」
がたびたび町内を徘徊しているが、
タイミングが悪く留守だったり、客が来ていたり・・・



「あのう、自転車カイシューさせてクダサイ」
「自転車ってこれ?」
玄関前近くに折りたたみ式がある。
「いや、あそこの壊れている自転車でス」
と離れの方を指した。
「何?ほほう、よく見つけたな?ところで貴女、
・・・日本の方ですか?」
細い目と四角張った顔、
たどたどしい日本語、他国の者とは解っていた。
「中国からきました、回収お願いしまス」
持っていって貰いたいのは山々だが、
「嫌だね」
「なんとかオネガイシマス」
「そりゃあ持っていって貰いたいが、よく見つけたと感心しましたよ」
「・・・ハイ?」
「あのな、人様の敷地内に入って不用品を探している行為。
留守中だろ入ったのは?何回か来たはずだ。
よく見つけたなと言っている」
「・・・ハイ」
「俺は中国人が大嫌いなんですよ、お引取りを、さあ」
その女はしぶしぶ出て行ったが、
外に止めたトラックに乗る刹那こっちを、キッ、と見た。
・・・この野郎
追いかけて怒鳴りつけてやろうとしたが、
近所迷惑があるので黙って見送った。



こういう輩が近頃実に多い。
昨年車検のない古いホンダオデッセイを「売ってくれ」
ときたのはインド人。
査定もつかず長い間動かさず駐車しておいたが・・・
しかしよくもまあ道路から見えないフロントガラス左上、
車検の有無まで確認したものだと呆れた。



不法侵入。



車は結局日本人に鉄くず同様二万円で引き取ってもらったが、
解体して部品を取り出し、
あっちに持っていけばかなりの金になるらしい。
隣近所いや町内全体がほぼ顔見知りの街に住む。
田舎だし、鍵なんてかけずに出かけることも多かった。
こんな輩が出てきた以上、防犯カメラでもつけないとなるまいな。


移民など受け入れたら、
黙って持っていくヤツラが必ず出てくる。



自衛だ。
まさか防犯カメラは他人の顔を撮影するから個人情報が洩れる、
「つけるな」と言うまいな中国人?
今度来たら、無断で敷地内に入っていたら、
遠慮なく警察を呼ぶよ。