今週のお題「今年一番のごちそう」
噛み締めるとペパーミントの味
久しぶりのクラス会
時は経て色々な経験を纏って来たかつての旧友たち
その中のクラスメートがレストランを経営していて、
赤字覚悟で沢山の料理を運んでくれた
ほおばりながら、
飲みながら過ぎ去った思い出を語る友人たち
誰しもの頭上にいつも青空があった
若草の上を歩いている時は
安いチョコレートでも美味しく思えて、
こんな日がいつか来るとはあの頃ちっとも思ってはいなかったけれど
少年と少女の日を超えて
森があり、海があり、濃霧があり、蒼天もあって、
教室の延長である宴会場は多様な彩りに姿を変えていた
心から本音を言える場所はいつも教室
少年達には打算などないから
急な勾配もないから
一本道を輝く目で歩くだけ
アマリリスの歌が手を振りながら遠ざかる気配を感じながら
月日は経ち大人になっちまったけれど
本音を言い合えるクラスの連中
大いなるストレス解消の場であり、
誰しもがどんなに空腹であろうと一流の味だろうと
料理は二の次だったかも知れない
今年一番のごちそうは
清涼たる思い出の味である