journey

枯れ野


あまり人気のない小途に
しらけた太陽が沈もうとしている
裸になりつつある樹木が
たくさんの手を空に伸ばし
救いを求めている






さあ、彩りには失敗したが、
これから俺たちはどこへ行けばいいんだね?と
空はただ、見ている・・・
何も言わないで流れて、行く








落ちそうな空に、石などをぶつけてくれるか?
みっともないこんな姿など、誰にも見せたくはないしな
何も言わないで流れて、行く



安いワインとレモンのソーダ割り
口に運んで
少しの哀しみと、
色彩のない角だけの時間の思い出を肴などにして
暫しの間酔いつぶれてしまいたいと思う


ガイアの怒りが海をだめにしちまってから、
水平線が見えなくなったよ
早く逝け今年!
あと二ヶ月もないけれど、
それは長い旅路だよ・・・


そんなことを思っているこの俺などを
友達が見たならば、子供のようだ、
と俺を笑うことだろう


解っちゃいるけれどやめられない
飲む男の気持ちなど人それぞれ、
誰もこのハートを知りもしないはず
また俺も人の寂寞を知らないしな
今年に穏やかな秋なんて季節はない
勿論春も夏もなかった
今は秋霖という暦が廻っている・・・


ヘッドライトに照らされて
車のウィンドウに俺の顔が、写る
あまりいい姿じゃ、ない
戯れだと思っていた時間などに
打ちのめされちまう大人
こうして誰も大人になるんだけれど
俺はまだ少年だったのかも知れない


ともあれ四季のない日常は味気ない
飢えた上で海砂利を噛むような悪循環
今年はもう、駄目だなぁ


人同士の切ない別離という劇を
みんなが、俺が演じて、いる
空は何も言わないで流れて、行く


journey
夢の中にはいつも楽しい時間が現れる
明日の朝までの短い旅路
夜空は饒舌で一時の安らぎを語る


今、俺は、アネモネ駅に、居る
過去へ戻る夜汽車がやってきました


眠りにつく前の今が、
まぁ俺にとって今は、一番幸せかな・・・


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★