忘れていたアンブレラ

Umbrella of a broken heart

今週のお題「2012年、夏の思い出」



考える時間の多さ。




多くの時が流れ
もう古き過去と言える短い愛の日が
太陽の下で展開しました。



今年の夏のように、関東は雨が少なかった昔のことです。
雨は嫌いなんですが、どしゃぶりに降ればいい、
と思ってましたね。
何故かというと、一本の傘を持っていたからです。
まあ傘を持ってることなど当たり前であり、
面白くもなんともないんですが。




けれどもあの人が置いていった真っ赤な傘を
一度は自分の手で広げてあげたい。
と思ってましたねえ・・・
しかしそんな気持ちに一切関係なく、
雨は一向に降らなかった夏でした。



―――それにしてもあいつはなんで傘なんて忘れていったのか。
―――気がついたら電話でもくれて取りにくればいいじゃないか?
―――もう・・・こんな傘なんていらないとでも言うのか?



傘でさえ愛の欠片が残っていた純真な夏でした。



天気予報はずっと快晴だった古き夏の思い出です。



失恋という雨が降ったのはそれから二週間後くらいの
二百十日夜の日。



―――今度雨が降ったら
この傘を広げてそしてどっかに忘れてしまおう、その方がいい。



傘でさえ愛の欠片が残っていた純真な夏でした。
傘の思い出が薔薇の花のように
心の中で開く。
長びく経済不況、
外へ出て遊ぶことはままならなかった、この夏。
忘れていた大切なものを、
太陽は思い出させてくれましたね。



Umbrella of a broken heart
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初めて買った洋楽がこれだったはず・・・
孤独なナイト・ゲーム
氷室京介さんか西城秀樹さんだったか?
確かカバーしていたはずです。